遠藤はもともと引退興行を行う予定はなかったが、WAVEの二上会長(=遠藤のジャパン女子時代の先輩)の「今まで応援してくれた人にキチンと挨拶しないといけない」という言葉とバックアップから、WAVE主催での開催が決まった。引退の理由は3月の会見で「プロレスに入ってきて32年。後悔はしたくないので自分がやりきったと思えるところまでやろうと思ってました。それが今」と語っていたが、別のインタビューでは「年齢的に昔のようには闘えない。親の世話をして別の人生を歩もうと決意した」と吐露している。
また、代理人を務めるアイガーのパートナーであった休業中の沖野小百合の「引退式をしたい」という意志に合わせ、二人の引退式として開催されることになった。
当日は、現役、OG含め、縁のある顔ぶれが集まった。
遠藤美月:プロフィール
1971年11月9日生まれ、山梨県出身。1991年8月4日、ジャパン女子プロレスでデビュー(二上美紀子戦)。1992年、ジャパン女子解散後、LLPWに入団。1995年にはバーリトゥード大会「L-1」にも参戦。2007年社長に就任。2009年社長退任。2022年LLPW退団、フリーに。2023年3月に引退を発表。タイトル歴:LLPW認定6人タッグ(2002年獲得、第10代、パートナ
ーは青野敬子&天野理恵子)、全日本ジュニア(1993年獲得、第22代)
沖野小百合:プロフィール
1976年2月5日生まれ、茨城県出身。1996年1月14日、LLPWでデビュー(大向美智子戦)。ヒールユニット「G-MAX」に所属し、アイガーともタッグチームを結成。2008年から怪我のため長期欠場したが、LLPW-X所属となっていた。
アイガー:プロフィール
2003年8月17日、下関での桑田真理戦で自然発生。沖野小百合と「サキュバス」を結成。
遠藤美月引退・アイガー昇華記念大会『打ち上げ花火』
2023年9月10日 東京・後楽園ホール
観衆:950人
◆アイガー昇華試合『永遠に』30分1本勝負
◯ アイガー&尾崎魔弓with沖野小百合(14分25秒 FFD→体固め)志田光&旧姓・広田さくら ●
◆シングルマッチ 15分1本勝負
星ハム子(5分33秒 ダイビングボディプレス→片エビ固め)愛海
◆タッグマッチ 15分1本勝負
青木いつ希&◯中森華子(8分9秒 シャイニングフラワー→片エビ固め)高瀬みゆき&KAZUKI ●
◆タッグマッチ(15分1本勝負)
橋本千紘&優宇(時間切れ引き分け)宮崎有妃&永島千佳世
◆遠藤美月引退試合『たくさんの思い出をありがとう』30分1本勝負
◯瑞希&SAKI (13分24秒、キューティースペシャル)遠藤美月●&大向美智子
◆特別試合 5分1本勝負
遠藤美月(時間切れ)SAKI
メイン終了後、SAKIが「最後、シングルで戦わないと終われません」と遠藤とのシングル戦を要求。遠藤も了承し、急遽5分間のシングル戦がが実現した。5分はあっという間に終わってしまい、引き分けに終わったが、試合後、レフェリーのTommyに3カウントを叩かせた。
引退式
遠藤、沖野、バックステージのコメント
遠藤「(まずは今引退試合を終えての実感は?)なんか自分のことには思えないなって。
きっと3日後くらいに思うんでしょうね。ジワッと。でも最後に後楽園でリングに立てて感謝です」
沖野「私はもともと12年ここ(リング)にいなくて実感はないんですけど、時間が経てばくるんだろうなと思います。遠藤さんの言葉がなかったらここにはいなかったので。GAMIさんの団体、WAVEの選手たち、みなさんのおかげです。昨日も夜遅くまで準備してくださって。特に関係のない私を含めてここまでやっていただいて、ありがとうございました」
遠藤「本当にみんなに支えられているなっていうのを感じました」
沖野「(今日、コスチュームで来たことについて)私はジャージでいいなと思ったんですけど、コスチュームを作ってくださるという方がいて、もっともらしい引退をさせていただきました。人の縁って素晴らしいなって思ったし、プロレスに出会えて人生で一番の宝物になるんだろうなって。プロレスがあったから今の私がこんなに素敵な人に巡りあえて」
遠藤「(最後に沖野が隣にいたことについて)赤い水着が似合ってた(笑)。横に立ってほしかったので、それが現実になって。今まで当たり前だった人が横にいて、改めて心強いなって思いました」
沖野「(アイガーとは何か話した?)もう消えるって言ってました(笑)」
遠藤「私は会わなかったです。いつもすれ違いで、最後まで…。(最後にメッセージを)
今まで応援していただいてありがとうございます。ちょっとした一声が本当に力になって、頑張ろうって思えてやってきました。なかなか人に伝えられないんですけど、力をもらってたっていうことを伝えたいです」
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